これからの土地価格の動向

不動産を所有している人にとって、これから土地価格がどうなるのかに関してはとても気になるのではないでしょうか。日本はバブル崩壊後の不景気からようやく脱出しつつあります。景気の動向は少なからず土地の価格に影響を与えているので、景気の動向からすると今後日本の土地価格は上昇していくように思えますが実情はどうなのか確認しましょう。

土地価格は現在上昇傾向にあります

現状の土地価格がどうなっているのかを知る前に、日本には地価の参考となる指標が複数存在していることを理解しておく必要があります。日本の地価を決める指標は「基準地価」「公示地価」「路線価」の3種類です。このうち最も聞きなれているのが「路線価」ではないでしょうか。

路線価は毎年ニュースで取り上げられ、その年に最も高い路線価を付けた場所と併せて発表されます。路線価は国税庁が調査して発表しているのですが、路線価はその年の1月1日時点での主要道路に面した一平方メートルあたりの土地価格を公示したものです。

したがってあくまでも相続税の目安として作成されています。個人が所有している土地の実税価格と路線価で公示された価格とは異なることが多いため、路線価はあまり参考にはなりません。「基準地価」は国土利用計画法に基づいて各都道府県が毎年7月1日時点での地価を調査して公示しています。

一方「公示価格」は国土交通省が間毎年1月に調査をおこない、公示している土地の価格です。この2つの評価方法は少し異なりますが手法的には似たような手法を用いているので「基準地価」と「公示地価」の金額が大きく開くことはあまりありません。

ちなみに公示地価は不動産を取引する際の目安として作成されているため、ある程度は実税価格も参考にしています。ただし実際の不動産取引は景気の動向だけではなく売り手側と買い手側の事情によってその価格が大きく変動するので、場所によっては基準価格や公示地価と実税価格に大きな開きが生じる場合があります。

基準地価や公示地価は参考程度に考え、実税価格と全く同じとは思わないようにしたほうが良いでしょう。しかし日本全体の地価の動向を知る目的ならばとても使い勝手がいい指標です。では実際に現在の地価価格がどうなっているかですが、発表された基準地価によると2018年7月時点での基準地価は2017年の基準地価と比較すると0.1パーセント上昇しています。

実は基準地価が上昇したのは1991年以来27年ぶりのことです。日本の景気はバブル以降の不景気からようやく脱出の兆しを見せつつありますが、土地価格もそれに合わせて現状では上昇傾向にあると言えるでしょう。

各地域別での地価の動向について

リーマンショック以降の好景気の際には土地価格が上昇していましたが、土地価格が上昇していたのは東京など大都市に限定されていました。しかし今回は東京、大阪、名古屋の三大都市圏だけではなく地方圏の土地価格も下落幅が縮小しただけではなく工業地や商業地に限定すれば上昇傾向にあるというように、これまでの土地価格上昇とは明らかに違っています。

景気の回復が全国に浸透していっていると言えるでしょう。では各圏域別で今回の土地価格について見ていきましょう。東京都大阪、名古屋の三大都市圏の場合は例年通り土地価格の上昇が続いています。東京と名古屋は5年連続で土地価格が上昇していて大阪も全体的に見れば横ばいながらもわずかに土地価格は上昇しています。

景気が回復すると雇用や所得環境が改善していきますが、その影響が最も色濃く出るのが三大都市圏であるため地価の上昇が顕著になっていると考えられます。工業地と商業地に関してはいずれも継続して土地価格は上昇していて、中でも大阪圏の商業地は著しく土地価格が上昇しています。

これは大阪を訪れる外国人がここ数年で急増したことによって主要都市の中心地周辺で店舗やホテルを進出させようという傾向が高まっているためです。工業地に関してはネット通販が普及していっていることにより特に道路アクセスに優れている物流施設を建設できるような土地は需要が高まっていることから特に上昇傾向が顕著となっています。

地方圏に目を向けてみると、場所によって土地価格の変動に開きはあるものの全体的に見れば総じて上昇傾向にあります。中でも商業地は住宅地と比較しても上昇傾向が強くなっています。これは大阪と同様に外国人観光客に対する需要を見越した店舗やホテルなどの建設が堅調であることが要因となっています。

特に札幌・仙台・広島・福岡の地方四市を比較すると札幌と福岡の上昇率が高いです。そのほかの市町村に目を向けてみると特に山形市や宇都宮市、高松市などが上昇傾向が強い市町村となっています。これらの市町村も国内外の観光客が増加したことによって店舗やホテルなどの進出が相次いだことが土地価格が上昇した大きな要因と言えるでしょう。

2020年までは上昇していくと予測

では今後の土地価格がどうなっていくのかというと、2020年までは土地価格は上昇していくと予想されています。現在日本の土地は海外の都市化から注目されており、特に東京はロンドンやニューヨークと比べると不動産価格が安いだけでなく2020年にはオリンピックを控えているということもあって需要が高まっていくことは間違いありません。

また相続税の上昇によって国内でも資産を現金ではなく不動産で所有しようという人が増えてきています。これらは土地価格が上昇している要因の1つになっていると考えられます。

2020年以降は不安要素が多い

2020年までは土地価格が上昇していくと予想している人が多いのですが、それ以降はどうかというと、土地価格の値下がりを懸念する人が多いです。

土地価格が下落する不安要素

2020年以降の土地価格の不安要素としてオリンピックが終了することがありますが、オリンピック終了後の施設に関しては教育施設など用途がすでに決まっていますし、オリンピックに向けてインフラが整備され、より日本は快適で便利な場所になることを考えるとオリンピック終了後の影響はそれほど大きくないのではと言われています。

それよりも深刻なのが日本国内の人口です。日本国内の人口は現在すでに減少傾向に転じているが今後は更に15歳から64歳までの生産者人口の減少が顕著になります。働く人が減少すれば景気の回復は足踏みするでしょう。

そして総人口の減少もこのまま止まらない状態が続けば空き家がどんどん増加し、不動産の供給過多となります。不動産が供給過多になれば土地価格が下落していくことはいうまでもありません。